校正・校閲 「本を作るということ」

校正者やライターをやらせて頂いております。

原稿整理をするぞ

 著者から原稿を無事に頂くことができ、嬉しい編集者。ここからは、ゲラに集中して、文章を出版に耐えうる形に整えていく作業です。

 最近はほとんどなくなりましたが、手書きで原稿を下さる先生もいらっしゃいます。この場合は、コピーをとって読みにくい字をえんぴつで補ってから、文字入力専門にお仕事をされている方に、コピーの方を渡して入力して貰います。著者の直筆原稿は、後で振り返ることもあるので、しっかり保存しておきましょう。

 まあ今ですと、著者の多くはワードのデータで原稿を下さいますので、こちらの前提で仕事を進めると致します。
 データを全コピーして、用意しておいたインデザインに流し込みます。この時、ワードの書式を引き摺ってしまうと、混乱の元なので、一度プレーンテキストにコピーしてから流し込むことをお勧めします。

 インデザインの流し込みを、プリントアウトしたら、原稿指定をしていきます。大見出し、中見出し、小見出しはどのフォントで、どのくらいの大きさか、字下げをするのかなどです。また、どこにルビを振るのか、引用文は本文とどのように差を付けて置くのか、なんていうことも指定します。

 そして、この段階で最も悩むのが、用語の統一です。例えば、「行うor行なう」「全くorまったく」など、本全体で揃うように方針を決めて指定していくのですが、著者の意向をなるべく汲みつつ、会社のルールにも従うというわけで、丁度いい塩梅を探ることになるわけです。副詞はひらがな(「ひらく」と言います)にした方がいいと、個人的には思いますが、本のジャンルと内容によって変わってきます。
 インデザインで検索を掛けつつゲラに指定していく方法が、漏れなく自分の頭にも入るので良いのではないでしょうか。

 あとは、字体の指定ですね。これは次回にさせて頂きましょう。