校正・校閲 「本を作るということ」

校正者やライターをやらせて頂いております。

「歴史・民俗」本の事実チェック、こんな方法を使っています。

 事実チェックの際、

PCで検索をするという方法は、校正者ならずとも誰しも行いますよね。

 

 私の場合は、ウィキペディアは大変便利で参考程度には読みますが、やはり信頼性が保証されているサイトでの検索ということになります。

・ジャパンナレッジ   https://auth.japanknowledge.com/  

コトバンク   https://kotobank.jp/   

国文研データベース https://base1.nijl.ac.jp/2023renew.html

その他ですと、

宮内書陵部国立国語研究所成城大学民俗学研究所、國學院大学デジタルミュージアム、ADEC、国会図書館、など。

 

 そして、アナログつまり書籍での確認も、必ず必要な方法です。

 年表、地図、最新の高校の『詳細日本史研究』(山川出版社)が基本ですが、これだけでは追いつかないのがほとんど。ということで、

・山川の「大学の日本史シリーズ」

角川選書 吉村武彦『古代史の基礎知識』

角川選書「シリーズ地域の古代日本」

岩波文庫日本書紀』『魏志倭人伝』、角川文庫『古事記

柳田國男全集、宮本常一  伊波普猷  の文庫類、ほか

といったものをよく参考にしています。

 

 あとは手頃で便利なのが、吉川弘文館の『歴史手帳』です。

 中国の年号と対応している日本の年号表、国宝史跡一覧、異体字表、武具の名称、などと至れり尽せりの付録部分(?)が、すばらしい! 暗記していないけれど、「ああ、何だっけ」という部分をかなり網羅してくれています。(私は吉川弘文館のサクラではありませんよ、念の為)

 

 歴史の事実チェックは、自分自身が大変勉強になるので、大好きです。

 大好きなのですが、悩みどころもあります。それは、著者の先生が腹立たしく思うであろうことも、校正者の立場として書くべきと判断したものは、書いていることです。

 もっとも、編集者の方が、私の書き込みにバツを付けてから、著者の先生にゲラを渡しているなど、差し引きして下さっていますので、すべてが先生の目に触れるわけではありません。それでも、書くときの表現がキツいものになっていないか、など気を遣っている部分ではあります。だって、私が著者だったら「おのれ校正者め」と思いますもの。

 

 

 

 

 

赤字潰しとは?

○赤字潰しという言葉をご存知ですか?

 

 赤字潰しとは、再校のときに発生する作業のことです。

具体的に見てみましょう。

1、向かって左側に初校ゲラを、向かって右側に再校ゲラを起きます。

2、初校の指示が、再校ゲラに反映されているかチェックしていきます。

  左手にえんぴつ、右手に赤ペンを持って、チェックです。

   もし、出版社さんが許すならですが、

  左手にダーマットの黄色を持ち、チェック済みの項目を

  黄色で塗りつぶしていくという方法もあります。

  こちらは広告やカタログ本など、データや数字が並ぶものを作るときに有効です。

3、初校ゲラを見てチェックし忘れた項目がないか確認。

以上です。

 

 この赤字潰しが終わったら、やっと再校として読んでいけることになります。

 

 

○赤字潰しは勉強になる! 

 

 他の方がやった校正紙を見ることができる!ということで、赤字潰しは大変勉強になります。

 赤字の出し方、こんなところにも疑問を出すんだな、疑問に対して編集者はどう答えているか、などなど。

 

 みんなすごいなあと自信を失いつつも、潰れずに頑張りたいところです!