校正・校閲 「本を作るということ」

校正者やライターをやらせて頂いております。

本の編集の流れ

日本史、民俗学、事実チェックは楽しい沼

事実チェックとは、大量の知らないことを調べることです。(少なくとも、私には、ですが…) 日本史や民俗学が好きなので、そういった分野の作品制作のお手伝いをさせて頂くことが多いですが、いくら好きな分野とはいえ、自分ごときの知識では著者の先生にか…

赤字潰しとは?

○赤字潰しという言葉をご存知ですか? 赤字潰しとは、再校のときに発生する作業のことです。 具体的に見てみましょう。 1、向かって左側に初校ゲラを、向かって右側に再校ゲラを起きます。 2、初校の指示が、再校ゲラに反映されているかチェックしていきま…

梅雨は紙がしおしおに

湿気で紙がふにゃふにゃ、しおしお。 梅雨時は、なるべく紙に水分を吸わせないように気を使います。 校正する時は、手汗がつかないように、と頻繁に手を洗ったりもします。 特に、原稿をお預かりしている時は、著者にも製作者にも編集者にも失礼のないように…

ゲラを作ったら校正じゃ

InDesignで組んだ紙面を印刷したら、校正校閲です。 別の項目でご紹介致しましたが、誤字脱字と明らかな間違いを見つける校正(てにをは とか、意味が通じる文章か)と、 書いてある内容の一般常識上での正誤、正しいとされる日本語が使われているか(弱冠 とか…

目次、柱、ノンプルをお忘れなく

本文を組んで、一息。 いやいや、目次を作りましょう。お客様から目次用のテキストデータを貰うこともありますし、InDesignの目次機能で作ってもよし。 校正作業では、この、目次と本文見出しが統一されているかを見ることになります。 柱、ノンブルも、同じ…

前回の続き(ルビの付け方)

ルビの付け方は、会社さんごとに違うので、どれが正解というものはありません。大切なのは、本全体として統一が取れていること、シリーズで統一が取れていること、です。 最近は、中ツキの会社さんが多いですが、活版印刷→写植の時代と見た目を変えたくない…

ルビの位置(InDesign画面貼り付け)

モノルビ グループルビ モノルビで親文字よりルビ文字が長いとき(例)

校閲はどこまで見るべきか

校正というと、誤字脱字、変換ミス、文章の「てにをは」などを見ますが、校閲というと、内容が合っているかを見ることになります。 こうなると、機械の本は器械のわかる人に、哲学の本なら哲学のわかる人に、とそれぞれ得意な人が校正をやることになります。…

自動校正はどうなのだろう?

無料のweb校正をいくつか使ってみました。感想としては、便利は便利でした、といった言い方になるでしょうか。自分が文章を書く時には、チェックの手段として使うかもしれません。ただ、校正としては、あと一歩。有料のものは、試していませんが、AI校正の今…

校正・校閲はこんなことをする

ゲラが上がってきたら、校正・校閲です。 (私は現在、校正・校閲が本業なのですが、自分が編集の立場にある時は、必ず別の人にお願いして校正してもらいます。ひとりで作る本より、皆で作る本の方が、絶対にいい本になります。) 校正は、指定どおり組み上…

ぼんやりタイム

組版をお願いする方に、指定した紙と、著者からの原稿データを渡して、ほっと一息。 (私は、自分で作ったインデザインデータは、エラーの元になるので、渡していません。原稿指定は、紙でやっています。) だらだらしたいなあと思いながら、溜まっていた雑…

正字と俗字?

字体には、正字と俗字と呼ばれるものがあります。 学校で習った漢字が、正字とは限らないうえに、会社のルールごとに若干異なります。点の向き、2点しんにょう、などの漢字の形に注目です。 俗字という言い方は、その字が可愛そうな気がします。本当は異体字…

原稿整理をするぞ

著者から原稿を無事に頂くことができ、嬉しい編集者。ここからは、ゲラに集中して、文章を出版に耐えうる形に整えていく作業です。 最近はほとんどなくなりましたが、手書きで原稿を下さる先生もいらっしゃいます。この場合は、コピーをとって読みにくい字を…

著者が執筆している間

さて、著者に原稿執筆をお願いして、OKを貰えたとしましょう。ここからは、綿密な本のコンセプトの著者とのやりとりが重要になってきます。 想定しているする読者と総ページ数をお伝えした上で、「どうしてもあなたに書いて貰いたい、あなたじゃなければだめ…

企画書を作ろう

本を作るには、まず企画書が必要です。書き方は会社によって違いますが、どこの会社でも必要になる項目は、以下のようなものです。 ・本のタイトル(仮) ・著者 ・著者のプロフィール ・作品の概要 ・ページ数 ・価格 ・部数 ・ターゲットとする読者層 ・何…

はじめに

今から20年くらい前のこと、アナログからデジタルへの移行期に、編集プロダクションなどを渡り歩いていた私が学んだ書籍製作の流れを書いておきます。